朝、いつものように目を覚ます。カーテンの隙間から差し込む光が、今日も変わらず一日が始まることを教えてくれる。時計を見ると6時半。まだ布団の温もりが恋しいけれど、深呼吸をして体を起こす。
キッチンに向かい、コーヒーを淹れる。コポコポとお湯が落ちる音、コーヒーの香ばしい香りが部屋に広がる瞬間が好きだ。トーストを焼きながら、何となくスマホを手に取り、ニュースをチェックする。世の中ではいろんなことが起きているけれど、私の朝は今日も変わらず静かだ。
朝食を終えたら、身支度を整えて家を出る。通勤路の風景も変わらない。近所のパン屋さんからは焼きたてのパンの香りが漂い、いつもの公園では犬の散歩をしている人がいる。すれ違う人たちも、顔ぶれはほぼ同じ。何気ない光景だけれど、それが妙に心を落ち着かせてくれる。
職場に着くと、デスクの上には昨日の仕事のメモが残っている。「ああ、ここから再開するんだったな」と、まだ完全に目覚めていない頭を切り替える。パソコンを立ち上げ、メールをチェックし、今日やるべきことを整理する。特別な出来事があるわけではないけれど、毎日こうして一つひとつの仕事を積み重ねていくことで、自分の成長につながっているのだと思う。
昼休みは同僚と他愛もない会話をしながら過ごす。「昨日のドラマ観た？」「週末どこか出かけるの？」そんなやりとりが、何よりのリフレッシュになる。特別なことを話しているわけじゃない。でも、こういう小さなやりとりが、日々の仕事に彩りを加えてくれる。
仕事が終わり、帰り道を歩く。日が落ちるのが少しずつ遅くなってきたのを感じると、季節の移り変わりを実感する。スーパーに寄って夕食の材料を買い、家に帰るとホッと一息。部屋の灯りをつけ、着替えてから簡単な料理を作る。今日は野菜たっぷりのスープにしよう。ぐつぐつ煮込んでいる間、何となくテレビをつけると、バラエティ番組のにぎやかな声が聞こえてくる。
夕食を終えたら、好きな音楽を聴きながら、少しだけ読書をする。スマホばかり見てしまいがちだけど、本のページをめくる時間はやっぱり落ち着く。今日は少しだけ早めにベッドに入ろう。布団にくるまりながら、ふと今日一日を振り返る。何か特別なことがあったわけじゃない。でも、こういう日常があること自体が幸せなのかもしれない。
毎日が特別な出来事の連続ではないけれど、何気ない日常の中にも、小さな喜びや安らぎが詰まっている。朝のコーヒーの香り、すれ違う人たちの笑顔、仕事の達成感、そして家に帰ったときの安心感。そうした瞬間を大切にしながら、また明日もいつも通りの一日を迎えようと思う。